私の帰る場所は無い

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私の帰る場所は無い

こうなったら 夜逃げしかない。 仕事が休みの日は次の病院と住まい探しをするようになった。 そして 整形外科を見つけた私は面接を受けた。 住まいも用意してくれると… もうこれ以上 人間不信になりたくない。 あの婦長にはついていけない。 17歳の夜逃げ計画実行の日 1人の先輩が部屋に入ってきた。 のんびり屋さんの先輩はまとめた荷物を見て あら…出て行くの?私も一緒に連れてって! 待ってて!次行く整形外科の先生に聞いてみるから。 私は整形外科の先生に電話した。 もう1人 大丈夫ですか? 大丈夫だよ! あり得ないが本当の話… 寮の皆んなが寝静まった頃 私は個人業者に連絡をして荷物を運んでもらった。 大阪に出てきて一年足らず… 母に言えばまた心配するだろう… 2週間程 過ぎた頃 実家に連絡して 次の勤務先の電話番号だけ伝えた。 好き勝手している訳じゃない 大阪に来てからもずっと私は母に仕送りだけはしていたのだから。許しておくれ… どんなに途方に暮れてもいい 私には帰る場所はないのだから… 離れていても私には母がいる。 私さえ居なければ 姉は母を泣かせる事はないのだと信じていた。
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