私の帰る場所は無い

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新たな出発。 先輩と2人で 優しい先生と奥さん。楽しく働いて半年が過ぎたある日 姉から電話が入った。 母が大腸癌で手術する事になったと… 私は先生に事情を説明して そのまま空港に向かった。 なんで… なんで…イヤだ! 飛行機にも乗った事もない私 どうやって帰ったのかも覚えていない 魂が抜き取られたような時間だった 翌朝 手術前に医者から見せられた検査結果を見て私は愕然とした。 もう手の施しようが無い程 転移していた。 泣いた顔を見せるわけにはいかない。 しばらく経ってから母の病室に行き 励まそうと思い近づいた時 母が泣きながら私に言った。 もう何処にも行かんで。母ちゃん置いて行かんで… 私は母を悲しませる為に大阪に行ったのか… 姉が母と仲良くするならと考えて私がした事は間違っていたの⁈ 悲しい想いをさせていたのか… どうか神様 私から母ちゃんを奪わないでください… 頑張ってね…私はもう母ちゃんのそばから離れんよ。 あんなにポッチャリ体型だった母は痩せてしまっていた。 手術室に入っていきランプが点いた。 10分もしない間に出てきた あー……ダメなんだとすぐに解った。 人工肛門までされて… 目覚めた時 どんなにショックをうけるだろう… なんと言ったらいいのだろう…
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