私の帰る場所は無い

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余命半年あればいいとこです。と医者から聞かされた。 夢なら覚めてほしい…暫く会わずにいた私は母の寂しさや苦しみ もっと聞いてあげてれば良かった。 家に帰らせて欲しいと医者に頼み 自宅で最期まで看る事にした。 姉は結婚することになり家を出た。 母には皆んな癌だという事は隠していた。 姉は結婚式を挙げたのに…と母が私に言う 私が母を安心させられる事は… 大阪で交際していた人がいた私は花嫁姿の写真だけでも見せておきたいと相談をした。 結婚願望があった彼は喜んでオッケーしてくれた。 今は私の気持ちなど二の次… 考えてる余裕すら無かった。 私は一旦 大阪に戻って写真を撮った。 勤務していた整形外科の先生と奥さん. 一緒に夜逃げした先輩に挨拶を済ませて また母の元に帰った。 写真を見ながら嬉しそうに笑ってる母。 あんなに怖い父も母が退院してからは 気弱になり優しく接していた。 自分自身 怪我や病気する度に本気で心配していた母に、暴力ばかり振るい 好きな事して苦労かけた事を後悔したことだろう… 母は若い頃から父の事が大好きだというのも知っている。 でも私達子供からすれば理解できない。 もっと優しい人は世の中には沢山いるのにと いつも考えていた。
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