わたしの夢

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体調は相変わらずの私 それでも夢は諦めずにいた。 私が中学生になった頃には、父は体が思うようにならず荒れるようになっていた。 姉は反抗期というよりもワガママも酷くなり父も母もお手上げ状態… 私は県立高校を諦めた。 准看護師になる道が1番早く 自立できるから。 母は反対しなかったが父は高校に行けと言う。 どこにそんな余裕があるんだ 陰で泣いてた母の姿を私は見ていた。そんな母にこれ以上 苦労かけるわけにはいかない。 私は家を出て准看護師になると決めたていた。 そんなある日 学校から帰宅すると 父の唸り声が聞こえた その横には母と白衣を着た男女が2人座っている 黙って私は横で見ていた。 父は船からロープ伝いに岸に渡ろうとした時にバランスを崩して落ち、頭を岩に打ちつけたらしい。 その時の医者と看護婦さんの会話は今でも忘れない あっ 先生。麻酔入ってません! すると医者が母に 奥さん。酒ありますか? その酒を傷口に吹きかける。 あっ先生。糸を忘れました! また医者が母に 奥さん、絹糸ありますか? 言われるままに走る母 ど素人の私でもわかってた 荒すぎる…治療 痛そう… 丸い針に絹糸を付けて縫っている。 針を刺される度に叫ぶ父 私はそれをずっと見ていた。
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