最愛なる人との別れ

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最愛なる人との別れ

数ヶ月経ったある日 久しぶりに私は実家に戻ってみた。 母がまた喜びのあまり いつものように私に言った。 料理好きな人の口癖だ…… 何が食べたいね? 姉が部屋で聞いてる… 私にだって 母が作る中にも好物があるんだ。 遠慮なく言った いつものウマ煮が食べたいと。 久しぶりの家族との食事 母は ひたすら話していた。楽しい食事だった。 晩御飯を食べ終え部屋に入った私に姉が思いもよらない言葉を発した… あんた何処か遠くに行って。そしたら母ちゃんと仲良くしたるわ。 職安に今度 一緒に行くからと。 私も限界だった。 もう 私の居場所はもうここには無いんだ 会えなくても母と私の絆だけは切れないのだから… 数日後 私は姉に連れられ職安に行った。 分厚い求人冊子 住所なんて見ても田舎から出た事がない私にとっては どの住所も都会 冊子をペラペラめくってると 途中のページにパン!と姉は手を挟み ココにしたら? 仕事しても親に1円もお金を渡さず ワガママで好き勝手してる姉 私がどれだけ辛くて孤独か… 17歳で身寄りも居ない大阪に行けと… 人の傷みや苦しみを癒してあげたくて 夢見た私にとって この人…は悪魔にしか思えない 病院の人達や先生にも可愛がられ 幸せな日々に別れを告げなくてはならない私の苦しみなんて分かってもらえるはずもない。 姉が私に投げかける言葉 いい子ぶりっ子! 私は私 どんなに言い争っても根本的に違う考え方の人間…分かり合えるはずもない。 こんな生き方しか出来なくても また私で生まれてきたいと… それから数日後・大きな病院に行って勉強したい。 と病院の人達 父や母にまた嘘をついて大阪に行く決心をした。 泣きじゃくる母の顔… 私だって行きたくない。 皆んなと離れたくないんだよ… 寝台車が走りだした途端 周りの乗客なんて気にするのも忘れ 大声を上げて私は泣いた。 そして 泣き疲れて眠りについた
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