会いたくなかった
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“先輩だ…” 歓楽街に入ってすぐ。 長年目で追い続けていたお陰か、先輩のその後ろ姿は、夜の雑踏の中、あっさり見つけられた。 でも、その隣には、一緒に飲みに行ったはずの田村先輩はいなかった。 その代わりに先輩の隣にいたのは…。 「あれえ、綾香、また会ったね」 そう言ってニッコリと、でも少し気まずそうに笑う真希の右手の指という指全ては、しっかりと亘先輩の左手の指に絡みついていた。 了
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