2つの道

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【1つ目の道】 私は浬さんからの交際の申し込みを受けて、心広さんからの交際の申し込みを断った。 浬さんと恋人として付き合うようになった私は、デートをするときはとても高級なレストランやバーで食事をしたり、旅行した時は豪華なリゾートホテルに宿泊したりした。 平凡な家庭で生まれ育った私は夢のような時間を過ごすことができた。 浬さんは私にとても気を使ってくれて、優しくて頼りになる存在になっていた。 私にとって少し心配なことは、浬さんはイケメンでスタイルが良く、ファッションセンスが良くて女性に人気がありそうだということだ。 でも浬さんが私に付き合いたいと言ってきたことに嘘はないと信じて付き合っている。 交際して1年が過ぎた頃、浬さんから新宿の高層ビルの最上階にある、夜景がきれいに見えるレストランに誘われて食事をした。 高級フランス料理のフルコースで、私は今までこんなに高級な料理を食べたことはなかった。 まずはワインで乾杯し、新宿の美しい夜景を見ながら食事を楽しんだ。 浬さんは、常に笑顔で優しい眼差しで私のことを見つめながら話しかけてくれた。 食事を終えてお腹が満足したところで、ワインを飲みながら夜景を見ていると、浬さんが神妙な面持ちで話を始めた。 「帆波、僕は帆波のことが大好きだよ!  帆波のことを死ぬまで愛し続けるから、僕と結婚してください。」 浬さんからの突然のプロポーズに驚いた私は、とても嬉しくて目から涙がこぼれ落ちた。 「私で良ければ、よろしくお願いします。」 私も笑顔でプロポーズを受ける言葉を返した。 浬さんは、とても緊張していたようで、ほっとしたような表情をしていた。 この日の浬さんと私は、時間を忘れて結婚後のことを語り合った。
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