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高校3年生になった凛香は大学には進学せずに就職することを決めたけれど、浬さんは気に入らないようで大学へ行くことを強要してきた。
でもこの時の凛香は自分の意思を曲げなかった。
私は凛香の人生だから凛香がやりたいようにすればいいと思っていたけれど、浬さんはそのことが気に入らないようで、凛香が大学に行かないことで私を責め立ててきた。
浬さんと私の関係はぎくしゃくしてきて、浬さんはいつもイライラして怒るようになっていた。
浬さんがイライラしているのは凛香のことだけではなくて、会社の経営状態も悪化していることが原因のようだった。
凛香が高校を卒業してアパレルで仕事を始めた頃、浬さんの会社は倒産に追い込まれて借金を背負うことになってしまった。
それでも私は浬さんを助けて何とか家庭を立て直そうと思って働き始めたけれど、浬さんは何とか資産を取り戻そうとして投資に手を出してしまった。
浬さんは借金までして投資したお金は、投資も失敗してさらに借金を増やす結果になってしまった。
経済的に豊かな生活は一変して、膨大な借金を背負う生活になってしまった。
私は浬さんに家を売って借金の返済に充ててアパートに住もうと言ったけれど、浬さんは今の生活を失いたくないようで承諾しなかった。
私には浬さんは見栄を張っているようにしか見えなかった。
経済的には恵まれていたけれど、私の心はとても貧しいと感じていた。
凛香が20歳になった頃、私は浬さんと離婚した。
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