プロローグ

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プロローグ

「クラウディア・ミアーリエ・リアラレティール第一王女殿下、リオネイラ・エティス・リアラレティール第二王女殿下のご入場!」 今回の主役である「人形姫」と「花聖女」こと、双子の王女達は名前が読み上げられると、美しく、優雅な足取りで入場する。 誰もを魅了する程の美しさを持ちながらも、全てに無関心の無表情である姉のクラウディア第一王女。 そんな姉とは正反対の、花が綻ぶような可愛らしい微笑みを浮かべる妹のリオネイラ第二王女。 「人形姫よ……お美しいけど、なんて恐ろしい無表情なの」 「クラウディア王女はこの前もお得意の魔術で罪人を捌いたんだろう?あの魔力の使い方は化け物と呼ばれても仕方がない……ついでに、慈悲は全くなく冷酷だとか」 「リオネイラ王女だ。双子のはずなのにクラウディア王女とはまるで他人だな」 「花聖女さま……今日もお可愛らしいこと」 そんな呟きがあちこちで聞こえる中、着席したリオネイラが会場を見渡し、笑顔を振りまく。 それを隣から冷たい目で眺めていたクラウディアは一人、すっと動き、無表情で玉座を睨むように見る。 鋭い瞳が金色に光り、父王を捉える。その赤い瞳と視線が交わると、クラウディアは元の無表情に戻った。 そして、自分の前にできた貴族たちの行列を心の底から面倒臭そうに捌き始める。 その一瞬のやりとりに、気づいたのは王妃のみ。 王夫妻が自分を見て満足そうに笑ったことに、クラウディアは気づかなかった。 ーーーこれが、彼女の全ての始まりであり、終わりだったというのに。
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