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平泉に、ファンタジーもの? 何処かで頭打ってきたかな? とにかく、私の傍で話をするその人の顔を見ようと私は必死に身動ぎする。 鉛のように体が重いと感じたのはその時。 変に動かない方が、体力が戻りやすいのかと思う。 「体が辛くはないのか?無理はせん方が良い。またゆっくり話もできよう」 ─⁠─⁠─⁠─⁠あぁ、疲れた。 でも、優しいな、この人。 そう思ったら、瞼が重くなった。 もう少し、此処にいたかったのに。 「そろそろ時が来たか。また会おう、玄神子」 そう言われた時、私の意識が飛んだ。 ふと、額に温かいものが置かれた感覚に、私は気が付いた。 ゆっくりと目を開けると、色白の細い指と、手が見えた。 「あら。目が覚めたのね」 女性の声が聞こえた。 龍姫とは違う声。 今の人の方が、少しだけ高いかな。 私がその声の主を目を動かして探していると、視界に人影が見えた。 とういうか、覗き込んで来た。 「大丈夫?」 「あ・・・すみません」 ずいぶん蚊が飛んでるような声だな。 自分の出した声だけど、自分でも呆れるほど。 「多少は、声を出せるようね。自分の名前は言えるかしら?」 「佐藤、華乃生(かのえ)」 途切れ途切れに言った。 体が重くて、ちゃんと頭が回らない。 自分の名前言うのもやっとなんて。
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