あの頃

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あの頃

  『勉強は出来て、運動はそこそこで、でも友達が関係は良くて、調子に乗んないでよ。あたしの方が、優れてるんだから‼ たかが、友達だけでしょ? 友達なんて―――ただの道具よ‼』  あの日、のその言葉にかっとして、私は確か突き飛ばした。 『痛っ、何よっ‼』 『友達は道具じゃない。勉強も運動も出来ても、そう思う人は最低。人を大切にしなの?』 『はあ? 何よ‼』  小学6年生の頃、クラスメイトの女子とタイマンで勝った。  自称、喧嘩強いというはあえて私を挑発し、私が手を上げるように仕込んだ。そして結果、私は手を上げた。  友達を侮辱し、私の友達を傷つけたのが許せなくて、そのあとの記憶は……あまり憶えていない。  それで良かった。多分、きっと。    でもあれから、私は変わった。いや、既に道は外れていた。  元々、やんちゃな友達が多く、小学6年生の頃にはその友達と遊びに明け暮れる日々だった。この歳の子供は「不良」に憧れ、喧嘩話ややんちゃ話をするが、大抵はそんなことは嘘。でも、私達は本当に喧嘩もしたし、危険運転で警察に止められた子もしばしいた。  普通の道から、あえて危ない道を選んだんだ。  決して単純じゃない、光が届かないような道を。  それでも、良かった。  でも、、この道を選んで後悔はない。  そんなはずなのに、どうして心残りがあるのだろうか。    
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