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それから10分後……。
お化け団地への不法侵入者3人は、学校の校庭に集まっていた。というより、委員長が自転車でチコを追いかけてきたので、根負けして学校に降りたのだ。
ちなみに、おとははいつの間にか二人の隣に立っていた。
「さっきは助けてくれて、ありがとうございました!」
「別に。練習に使う場所が入れなくなったりしたら、困るから」
委員長はチコに頭を下げたが、チコはそっけなく答える。
「練習……そうです!月崎さんと影山さん、普段からあの建物に忍び込んでいるみたいですね!委員長として見過ごすわけにはいきません!今後、あなた達がお化け団地に入らないよう、私が目を離さないようにします!」
委員長は腰に手を当てて宣言する。チコは委員長の顔を見返した。
「そうだね。私も同じことを言おうと思ってた」
チコの目に虹色の光がきらめく。
「私が魔法を使えることを家族以外で知ってるのは、おとはと、あなたが2人目。あなたが余計なこと言わないよう、私も、見てるから」
「分かりました!ですが、私は約束したことはだれにも言いませんよ。委員長ですから!」
「ふん、どうだか」
そのやり取りを見ていたおとはがくすくすと笑いながら、2人の顔を交互に見た。
「……なんだか、友達みたいだね」
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