「また、会えたね。」

2/2
前へ
/2ページ
次へ
2014年12月24日 深夜0時00分00秒。 当時10歳の僕は独り、自室のベランダから、寒空のしたパジャマ姿で、サンタクロースが、やって来るのを楽しみに、眠い目をこすりながら、勉強机とセットで買った椅子をベランダに出し、座りながら星空をのんきに、眺めていた…。 「サンタさん、来ないかなぁ…。」何て、呟きながら。 しかも、この時の僕は、のんきに星を眺めて、サンタクロースを待っている姿を、そっと、空いている扉の隙間近くの鏡に映る姿を君が横目で、ベランダから、観ている何て気づきもしなかった。 まさか、君が…。 あの日、あんな事をする何て、僕は今でも信じられないでいる。 でも、事実何だよね…。 君がしたことは…。 僕が、見た洗面台に映る、君の姿や、満面の笑みも全て…。 あの生臭い嫌な匂いや、君の手に握られている包丁から、滴る生暖かい赤い液体も、全て、全て!! もう、戻れないんだよね…。 僕たちは、共にこのイバラの道を歩まなければ成らない…。 そう、僕と君は、“一心同体"だから…。 だけど‥。 あの日、あの頃…。 この場所に大人たちに連れてこられてから、この大きな真っ白な窓一つしかない部屋に入れられてから、数十年…。 君に、何度も部屋の中にある洗面所の鏡に向かい、おまじないを唱えるが、君に会えない…。 何故? 何故、君に会えないの? 何で、僕だけが君の罪を背負うの? ねぇ、お願いだよ!! 出てきて、僕はここにいるのに! 君の姿は、見えるのに…。 君に、会えるためならボクは、君にこの身を捧げるから!! 「頼む、出てきてよ!!」 と叫ぶと、君が鏡越しに、久しぶりに僕に微笑みかける。 すると、僕の願いが叶う。 数十年ぶりの君が、鏡の中から、一言、僕に告げる…。 「やぁ、“また、会えたね…(微笑)。”」 と、僕は満面の笑みで、鏡の中の君に、答える。 そして、僕は全てを君に捧げる…。 232cae67-dc70-4ab4-ae40-865e161db7c1
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加