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2014年12月24日 深夜0時00分00秒。
当時10歳の僕は独り、自室のベランダから、寒空のしたパジャマ姿で、サンタクロースが、やって来るのを楽しみに、眠い目をこすりながら、勉強机とセットで買った椅子をベランダに出し、座りながら星空をのんきに、眺めていた…。
「サンタさん、来ないかなぁ…。」何て、呟きながら。
しかも、この時の僕は、のんきに星を眺めて、サンタクロースを待っている姿を、そっと、空いている扉の隙間近くの鏡に映る姿を君が横目で、ベランダから、観ている何て気づきもしなかった。
まさか、君が…。
あの日、あんな事をする何て、僕は今でも信じられないでいる。
でも、事実何だよね…。
君がしたことは…。
僕が、見た洗面台に映る、君の姿や、満面の笑みも全て…。
あの生臭い嫌な匂いや、君の手に握られている包丁から、滴る生暖かい赤い液体も、全て、全て!!
もう、戻れないんだよね…。
僕たちは、共にこのイバラの道を歩まなければ成らない…。
そう、僕と君は、“一心同体"だから…。
だけど‥。
あの日、あの頃…。
この場所に大人たちに連れてこられてから、この大きな真っ白な窓一つしかない部屋に入れられてから、数十年…。
君に、何度も部屋の中にある洗面所の鏡に向かい、おまじないを唱えるが、君に会えない…。
何故?
何故、君に会えないの?
何で、僕だけが君の罪を背負うの?
ねぇ、お願いだよ!!
出てきて、僕はここにいるのに!
君の姿は、見えるのに…。
君に、会えるためならボクは、君にこの身を捧げるから!!
「頼む、出てきてよ!!」
と叫ぶと、君が鏡越しに、久しぶりに僕に微笑みかける。
すると、僕の願いが叶う。
数十年ぶりの君が、鏡の中から、一言、僕に告げる…。
「やぁ、“また、会えたね…(微笑)。”」
と、僕は満面の笑みで、鏡の中の君に、答える。
そして、僕は全てを君に捧げる…。
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