その地は「道」となった

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その後も、俺は北海道開拓の仕事を進めていった。 明治政府に懇願し、カイたちへの強制的な使役を禁じる法令を制定させることにも成功した。 これで、俺を助けてくれたカイたちへの恩返しができたかに思えた。 しかし、現実は厳しかった。 商人たちは相変わらず先住民たちとの交易で搾取を繰り返したり、強制的な使役を続けたりしていたのだった。 役人は商人たちと癒着しており、多額の賄賂が横行していた。 先住民たちが搾取される実態は変わらなかったのだ。 俺は無力だった。 どんなに抗議しても事態は改善されなかったのだ。 俺の最後の抵抗、それは開拓使を辞任することだった。 明治三年、俺は役人を辞め、東京で余生を送った。 北のカイたちの土地、北海道がすべての人にとって暮らしやすい土地になるには、あと数十年かかるのかも知れない。 その望みは、次世代の若者に託すこととなった。 < 了 >
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