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蝦夷地は魅力的な食材が豊富にあり、松前藩と交易を行っていた。
しかし、カイたちには文字という文化がなかった。
そして、軍事的な力も弱かった。
カイたちは不利な交易を強いられていたのである。
また、開拓のためにカイの若者たちがたくさん連れていかれ、遠い地で過酷な労務をさせられていたのだった。
俺の書く書物は、江戸で大いに売れていた。
なにせ、江戸の人たちにとって遠い蝦夷地は文化も違い、すべてが新鮮で魅力的に見えたのだろう。
俺は、「出版」の力を使おうと決心した。
松前藩による搾取や強制労役の実態を、出版によって世間に晒し、幕府に改善を求めるのだ。
この作戦は大いに成功した。
時代が江戸から明治に変わると、蝦夷地の支配は旧松前藩ではなく、明治政府が開拓使を置いて行うこととなった。
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