その地は「道」となった

8/15
前へ
/15ページ
次へ
さっそく、蝦夷地の調査を開始した。 山や川の位置を帳面に記録していく。 蝦夷地は松前藩が支配しているとはいえ、広大であり、ほとんどが未開の地であった。 俺の記録がきっと役に立つだろう。 土地の名前、山や川の名前、これには少々困った。 先住民たちの言葉がよくわからなかったからだ。 先住民たちは、自分たちのことを「カイ」、あるいは「カイナー」と言っていた。 カイナーの文化は魅力的であった。 自然界のあらゆるところに「(カムイ)」が宿っていると考えていた。 そして、「(カムイ)」と「人間(アイヌ)」とが共存して生きる社会でもあった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加