【3章】大人になったクソ餓鬼

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スッキリ顔のシュンが車に戻ってきた。 「いやー、わりぃわりぃ、あと一個コンビニ遅れてたらサトルのおベンツちゃんを汚すとこだったわ」 「マジで勘弁しろよ、それ店襲撃しやがった半グレと同罪ぐらい罪重いからな」 「もう大丈夫大丈夫、空っぽなったからむしろ腹減ったぐらいだわ」 「それならいいけど‥」 サトルはイマイチ信用ならんと言った顔でシュンを見た。 「ところで昨日のあの黒崎さんってさ‥」 「うん」 「アレだよな‥?」 「うん」 「やっぱそうだよな」 「まあ、サトルは気づくよな」 「いやいやいやいや、めちゃくちゃリスキーなとこと仲良くなっちゃってんじゃん」 「そうなんだよー、俺も最初は勘繰っちゃったし不安だったよ」 「俺ら、昔あの人のこと、無茶苦茶して金奪ってるもんな」 「いやー、まさかこんな年になって偶然意気投合してお客さんなるなんて思ってなかったわ」 「なんか俺らもほんとクソ餓鬼だったし、時代とはいえやり過ぎだったよな」 「はぁー、ほんと毎回めっちゃ金使ってくれてるし、韓国とかも結構連れて行ってもらってるからねぇ」 「それはそれですげぇな‥ってか黒崎さんって何やってる人なの?あの当時は詐欺の番頭とかだったような記憶があるけど」 「あの人は今は不動産とか代理店とか何個もやってて、完全にオモテの人だね。怖いのは税務署だー!っていつも言ってるもん」 「まあシュンにマイナスがないなら、それはそれでいいけどさ」 「うん、黒崎さんに関しては後ろめたい気持ちはもちろん拭えないけど、その分全力で楽しい時間を過ごしてもらおうと努力はしてるよ」 『目的地周辺です』 ナビの音声が目的地到着をお知らせした。
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