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ジュワーっという美味しそうな音に合わせてユウスケが中華鍋を振る。
「やべぇ、超美味そう‥」
シュンは少年のような目で調理工程を眺めていた。
「なんだ?飯まだか?」
ユウスケは手を止めずに問いかけた。
「こいつ、昨日の営業で派手にやりすぎて、ここ来る前にコンビニのトイレで全部吐いたんだよ」
「じゃあせっかくだし一緒に食っていけよ、今日の肉野菜炒めは豚肉じゃなくて国産和牛だからな」
ジュワー!!
ユウスケがより力強く中華鍋を振ると食材が宙を舞った。
子供達の皿からシュンたちの皿まで手際よく盛り付けていく姿を二人はじっと見ていた。
「あの当時ってさ、1番ユウスケがキレてたというか、ヤバい道行くんじゃねーかなぁなんて思ってたけどさ、人ってちゃんと大人になるんだなー」
「アホか、大人越えて俺らもうオッサンだろうがよ」
すっかり変わったユウスケを見て、安心してホッとしている気持ちと、なんだか寂しいような気持ちとが入り乱れて複雑なシュンであった。
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