【3章】大人になったクソ餓鬼

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それから小一時間、シュンとサトルはユウスケによる地獄のトレーニングで汗を流した。 サトルは最後のメニューまで辿り着かずダウンしてしまったが、シュンは最後の最後に、もうすぐプロデビューするという「ヨシノリ」という18歳の青年と2Rのスパーリングをした。 1R目はヨシノリは一切手を出さないルール。 シュンは付き合いで地下格闘技に3回ほど出場していたため自信があったが、シュンのパンチがヨシノリにHITすることはなかった。 2R目はヨシノリにボコボコにされた。 終了のブザーとともにシュンはリングに大の字で倒れた。 「あぁぁぁー、、、まさかオッサンになって18歳にボコボコにされるとはなー」 シュンの呼吸はなかなか整わない。 「シュンさんでも試合出てる人だなって感じしましたよ」 ヨシノリが優しい言葉をかける。 「その優しさ逆に辛いわー」 ユウスケはリングの外で笑っていた。 昔では考えられなかった、ナチュラルに笑うユウスケを見てシュンは思った。 『ユウスケに今回のサトルのことを話すのはやめよう』と
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