【1章】叩きのお仕事

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シュンはリカを男の方に思い切り突き飛ばした。 男は状況が理解出来ないままリカに押し倒される形で尻もちをついた。 次の瞬間、すかさず筋肉質な方の仲間が男の首に肘を押さえつけて押し倒した。 その反動でリカは吹っ飛ばされる。 「お、お前ら…なん‥なんやねん」 黒く日に焼けた短髪小太り刺青の男は明らかに怯えている。 「どこの誰やねん」 男の声は震えていた。 背の高い方の仲間が、用意していた布袋(ぬのぶくろ)を男に被せた。 「お前ら、俺にこんなことしたらタダですまんぞ」 男の声は震えているが威勢は衰えてない。 「みんな最初はそう言うんだよなぁ」 シュンは冷たく言い放った。 その間に男はガムテープでグルグルに巻き上げられていた。
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