【3章】大人になったクソ餓鬼

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シュンとサトルはタオルで頭を拭きながら出てきた。 「お前ら似合ってんな」 二人が着替えにもらったTシャツは、子供食堂に来ている5歳児がクレヨンで書いたウサギの絵をプリントしたシャツだった。 シュンとサトルはお互いを二度見した。 「で、今日はなんかあってわざわざここまで来たんだろ?」 ユウスケは二人に尋ねた。 シュンは半呼吸置いて答えた。 「いや、ほんとに昨日数年ぶりにサトルと会ったから、今日は生存確認しに来ただけだよ」 半分嘘で半分本当だった。 ユウスケには今の生活を守って行ってほしい。 そんな想いだった。 「そうか、まあ俺も久々に二人に会えてよかったよ」
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