【3章】大人になったクソ餓鬼

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ペアルックの二人は車に乗り込んだ。 シュンは助手席の窓を開けて腕を外に出した。 「また遊びに来るよ」 別れの挨拶をしたつもりだったが、ユウスケが語り始める。 「俺たちはさ、当時無茶苦茶だったかもしれないけど、今のSNSだけで繋がった犯罪集団と違って、確かに仲間だったよな?」 突然の言葉にシュンはキョトンとした。 「俺らが叩いたのって、全部犯罪者たちであって、俺らなりの正義もあったもんな」 確かにそうだった。 当時、三人が情報を得て叩いていたのは詐欺グループのリーダーや闇金の番頭など、汚い金を稼ぐ奴らだけだった。 「だからまだこうして、何年経っても繋がっていられるんだよな」 シュンとサトルは納得した。 「わりぃな、帰る手前で語っちまった」 「マジでユウスケ変わったな。でも今のユウスケがいいよ」 シュンの返答にユウスケはクスっと笑った。 うさぎちゃんペアルックの二人が乗った黒塗りのベンツは静かに走り出した。
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