REAL BLACK【元半グレの中年たち】

【４章】闇バイトやってみた

『運びはリスクでいうと少ないので、報酬は少なめですけど、実績作ってもらえれば日当200万とか300万の案件もあるんで、山田さんには頑張っていただけたらなと思います』

「毎日すごい金が動いてるんですね」

あたかも何も知らないように振る舞う。

『ただ、最近ですね、ブツの持ち逃げが多発しちゃって‥信用と言っちゃなんですけど、うちのグループでは保証金あずかるはことになってるんですよ』

「保証金ですか」

『はい、とりあえず1件分の20万だけお預かりして、1件目の案件が終わった段階で報酬と一緒にお返しする形ですね』

「20万ですか‥それ、用意できないと仕事できない感じですか？」

『そうですね、今はもうやる方は20万だけお預かりしてからの仕事開始になってます』

シュンは呆れた顔をしながら少し間を置いて答えた。

「例えば20万を渡すじゃないですか、そのままサヨナラみたいなパターンとかも考えちゃうじゃないですか」

『‥はは、僕らのグループは全国展開してるグループで毎日億単位の仕事してるんですよ？そんな20万ぽっちの金でバックれるとか小さなことありえないですから』

「ならよかった。ただ、すぐには用意できる金額じゃないんで少し待ってもらわないとなんですけど‥」

『いいですよ、この初回さえ乗り切って頂けたらガンガン仕事振りますしがっつり稼がせますので』

「じゃあちょっと友達とか親とかから金どうにかかき集めてくるんで待ってもらっていいですか？」

『わかりました、そしたら準備ができたらまたテレグラムにメッセージ入れてください』

ナカタとの通話はここで一旦終わった。