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「さて、堂々と置かれてるあの金庫の番号、教えてもらおうかな」
「アホか!誰が言うかぼけ!」
男はまだ勢いづいている。
「オッケーオッケー、まあそのうち嫌でも言いたくなると思うから安心してオラオラしてていいよ」
シュンは楽しそうに言う。
「おい、めんどくせーから金庫ごと持って帰ろうぜ。これぐらいなら二人で担げるだろ」
筋肉質な方が苛立ちながら言った。
「まあ待てって、こういうのはさ、過程が大事じゃん」
「………」
「しっかり怖い思いをしてもらって、自分が騙した爺さん婆さんへの懺悔してもらって、俺らが去った後に空っぽの金庫を見て…ってさ」
シュンは部屋をゆっくりうろうろしながら仲間を説き伏せた。
「なんやお前ら、正義の味方気取りか?アホちゃうか…がっ!!」
ゴっ!!という鈍い音で男は後ろに倒れた。
筋肉質な仲間の強烈な右パンチを正面から食らったのだ。
何も見えない中、突然食らったパンチは大いなる恐怖となった。
「ガタガタ不快な関西弁喋ってっとマジで殺すぞ」
筋肉質な仲間は男の耳元で静かに凄んだ。
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