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男は何も見えない上に今の一撃で完全にパニックになっていた。
視界はゼロ。
シュンたちの声と物音全てが恐怖となった。
男の頭には、いかに金を取られず自分が無事にこの状況を抜け出すか、それしかなかった。
さっきまでキャバクラで楽しく飲んでいたことも、アフターでリカを家に呼んでいたことももう思い出す余裕はない。
それどころか、吹っ飛ばされたリカを心配する余裕もなかった。
袋の向こうにいる男たちが次に何を言うのか?
それが怖くて仕方なかった。
「とりあえずあれか、道具使った方が手っ取り早く番号言うかな?」
シュンの声が聞こえ、それに対して想像を膨らましてしまう。
『道具…!?なんやそれ、ナイフか何かで刺されんのか!?』
「道具の前に女いるんだからこいつからいたぶろうぜ」
筋肉質な仲間がえげつないことを言う。
『女から…?あっ…リカちゃん!!!』
「ちょ…ちょっと、あたしはかんけ」
「うるせぇ」
ドン!バタン!!
「きゃあぁ!!」
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