【1章】叩きのお仕事

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「リカちゃんだっけ?君もさ、こいつの金が好きでノコノコやってきたわけでしょ?」 シュンの声が一層冷たくなる。 「ち…ちが…まさと君はお客さんだけどいい人だし…普通にいいなって…」 リカは声を詰まらせた。 『あ…あぁ…どうしよう…』 「そっか、じゃあリカちゃんが傷だらけになる前にまさと君には金庫の番号を言ってもらわないとだね」 「ああぁぁぁぁ」 リカの苦痛な悲鳴が部屋に響いた。 「ちょ、ちょ、お前らマジか」 『ヤバいヤバいヤバいマジでどないしよ』 次の瞬間、まさとは頭を掴まれた。 「おい、よーく聞いておけよ」 背の高い仲間が静かに言う。 「お願い…顔は…顔だけは傷つけないで…」 今にも消えそうなリカの声をシュンが遮る。 「ムリムリムリ、まさと君まだ番号言う気なさそうなんだもん」 「ちょ、ちょっとまってくれ!」 まさとが言葉を発した。
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