会いに行くよ

13/14
前へ
/14ページ
次へ
 次の瞬間、鈍い音がした。理央ちゃんはばたりと倒れた。 「えっ……?」 「赤音さん! 大丈夫ですか!?」  えっ、佐竹さん!? それに……警察官の人たち!? 「怪我してませんか!? 大丈夫ですか!?」 「だっ大丈夫です! ていうか、これは……?」 「……心配になって、警察に連絡したんです。間一髪でしたね」  もう一度倒れた理央ちゃんの方を見ると、警察官が押さえていた。左に道がある。どうも、警察官がそこの道から飛び出して、理央ちゃんを気絶させたらしい。 「警察には、今回のことは公表しないでとお願いしました。幸い……なのか、人がいないので、目撃者もありませんが……」  佐竹さんがじっと私を見てくる。 「いや、ちゃんと商店街通りましたよ!!」 「抜けて結局人通りが少ないところに来てるじゃないですか。人に助けを求めろと言いましたよね?」 「うっ……すいません……」  そういえばそうだった……。そう私がしょげてると、佐竹さんはため息をついて「まあ、無事なら結果オーライですかね」と呟いた。 「それにしても、まさか赤音さんのご友人がストーカーだったとは……」  佐竹さんは気の毒そうに理央ちゃんを見る。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加