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「有栖川さん入りまーす」
スタッフの声がスタジオに響き、私はさっとその中へと入っていく。大きなステージ、天井からぶら下げられまくったスポットライト、まわりに用意されまくった、コードが複雑に絡み合うカメラ。私はまた、ここで歌う。
◇◇◇
『有栖川赤音の生放送ライブ、可愛すぎてトレンド1位!?』
『最近話題のアイドル、有栖川赤音とは?』
『最強の新星アイドル、有栖川赤音に迫る!』
『期待の新星、有栖川赤音は歌と可愛さが最強』
そんな出だしのネット記事がずらりと並ぶ。……我ながら見ると、すごい反響だなぁ……。ボイトレとダンス頑張りまくった結果、こうしてデビューすることが出来た。しかも、こんなに注目された。
「さすがですね、赤音さん」
マネージャーの佐竹さんが、私のスマホを覗きながら言う。佐竹さんはとてもしっかり者で、いかにも「頼れるお姉さん」といった感じだ。
「いや、私は努力をしただけなので。努力がしっかり自分に返ってきて、安心しています」
「お、さすがですね。いかにも今回の刑事さんですね!」
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