0人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、私は今ドラマの撮影をしている。地下駐車場で、今は椅子に座って休憩中。主人公は「可愛すぎる熱血女性刑事」。まあ、可愛いということで私が選ばれたらしい。
「初出演のドラマも話題になるといいですね〜」
「まあ、そうですね。みんなに『おっ』と言わせられたら」
天狗にならず、謙虚に。私よりもすごいアイドルはたくさんいる。そのことをしっかりわきまえて活動していく。私はこれをモットーに、ここまで来た。
「あ〜っ疲れた〜!!」
背伸びをしながら、涼しい夜道を歩く。というか朝から番組でレッスン受けてドラマ撮影て……忙しい。まあそりゃあんなに話題になってるからそりゃそうか。でも、何事も最初が肝心。ここから、「有栖川赤音」というアイドル活動がスタートする。これからももっと頑張らないと!
「……ん?」
なにやら、視線を感じるような……と思い振り返ると、キャップにサングラス、マスク、コートを着た人が歩いていた。
「え……?」
……怪しくない? いや、見るからに怪しい!! しかもなんかマスクもごもごしてるし!!
「ま、まさか……」
最初のコメントを投稿しよう!