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ネット上でのスタンス【7/18改稿】7/20追記あり
センシティブな内容ですが、どなたかの参考になればと。
今年の10月17日で、商業デビューしてから7周年になります。
長いようであっという間だったような。
これからも文筆界の隅っこで頑張っていきたいと思います。
その中で、いい事もありましたし、痛い目にあった事もあります。
その大体がネット上の人間関係によるものです。
基本的には一般的な人付き合いと同じだと思いますが、所感を書いていきます。
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最初の段階で、小説投稿サイトに投稿したり、コンテストに応募したりする事が多いと思います。
その時に、書き仲間と切磋琢磨を問題なくできる方はいいと思います。
私はずっと一匹狼スタイルを貫いてきたので、コンテストがあっても普通に募集要項を見て、考えた物語を書いて投稿……でした。
書き仲間のいる方は、「あのコンテストはこういう作品が採用されるみたいだ」とか、仲間内で情報交換されています。
それが有益な情報となる場合もあるでしょうし、それをプラスととる方は何も問題ないと思います。
ただ、傍から見ていて、大人数でつるんで皆で「頑張ろう」とやっていると、誰かがどんどん活躍していったり、自分と同じくまだデビュー前と思っていたのに、自分はコンテストに落ちて、相手は受かったという状況になると思います。
とても厳しい話ですが、一人一人がライバルであるクリエイター業界で、「皆でゴール」は難しいです。
コンテストに受かる、商業デビューする、はゴールではなく、果てしない道の始まりです。
そのあと続いて商業作品を出していけるか、最低五年は作品をコンスタントに出し続けて商業作家として活動できるか……など、壁があるかと思います。
よく言われている事ですが、兼業で働いている方は、嬉しくなってすぐ「専業になる! 青色申告! 法人カード!」となりますが、その最低五年で本業のお仕事ぐらいに稼げるようになったら、専業になる事を考えてもいいと思いますが、そうなる前はちゃんと勤められているのに、それを手放す事はないと思います。
年々お仕事が増えて、年収も右肩上がりになって、本業の仕事の年収と遜色ない年収を作家の仕事で得られる状態が、最低三年以上は続いてから、考えるぐらいでいいんじゃないかな……と思います。
編集者さんのお話もネットでよく出ますが、彼らは最初から専業になる事を決して勧めないと思います。
なんなら、ベテランの作家さんたちも口を揃えてそう言うと思います。
興奮して「自分は作家として生きていくんだ!」となってしまう気持ちは分かりますが、それ一本で食べていけるようになるハードルは、かなり高いと思います。
プロになるきっかけを掴むより、続けていく事のほうがずっと難しいと思っています。
ネット上でも、プライベートでも、色んな出来事が起こると思います。
でも何が起こってもほぼ毎日書き続けて、外で遊んでるよりも書いてるほうが楽しいと思えるぐらいの、ある意味ヤベー奴感のある人のほうが、生き残るんじゃないかなと感じています。
話は戻りますが、コンテスト等について傾向などが分かったとしても、編集部の方々が変わったら採用される傾向も変わります。
時代の流れと共に、求められる作品傾向も変わります。
なので、編集者じゃない人の言う事を鵜呑みにし、頼りにせず、自分がいいと思ったものを応募して、とにかく落ちてもめげずに挑戦し続ける事が大事だと思っています。
書いたものが面白ければ、絶対目にとまるはずなので。
相談にのってくれるご友人たちを悪く言うつもりはありませんが、その予想が当たっても外れても、その方々が責任をとる事はありません。
自分がいいと思ったものを投稿して、自分で責任をとる。このスタイルでやっていかないと、何かあって失敗した時に他人のせいにしてしまう癖がついてしまいます。
仕事をしていると、予定していた企画がぽしゃったり、レーベルさんが潰れてしまったりなどもあります。
そういうどうする事もできない事を、「誰かのせい」として恨む癖がつくのは良くないです。
いっぽうで、小説投稿サイトでのポイントが高い人ほど優遇されるコンテスト(出版社)の傾向があるのも確かなので、その辺りは自分でチラッと調べてみるといいかと思います。
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私がデビューした時は、なろうなどのコンテストの存在を知らず、原稿を募集している出版社さんに直接原稿を送り、採用していただいた形になります。
商業小説とweb小説では作りが違っていて、web小説では「続きはどうなるの?」という引きが強い作品ほど勢いがいいように感じます。
逆に商業小説は決められたページ数の中で、いかにその人なりの世界観や盛り上がりを作り、読者さんを引き込むか、という感じに思えます。
違う目線で言えば、webのほうは毎日連載していかないと読者さまを多く獲得できませんので、毎日続けていける方が向いているんじゃないかなと(手元で完結させてから公開していく手段もありますが)。
後者はじっくり時間をとれるので、好きな時間に原稿を進めて、できあがったら提出する形になります。
私は後者のほうが性に合っていて、webでは鳴かず飛ばずな自覚があったので、お仕事をしつつ趣味で好きなものを続けていました。
エブリスタさんでの『部長と私』は例外中の例外で、自分でもよくこんなに多くの方に読んでもらえてるな、と驚いています。
商業デビューを意識される方は、自分の得意なやり方を理解して、向いているほうから攻めていくといいんじゃないかな、と思います。
ただ、webのやり方に慣れている方は、更新すると何かしらの反応があって嬉しい(承認欲求)に繋がるので、商業になると原稿を書き上げたあとも、かなり長い間黙っていなければならないので、毎日何かしらの反応がほしくて堪らないという方は、ちょっとソワソワしてしまうかもしれません。
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コンテストに落ちたら、悔しいのは当たり前です。
私もいまだにコンテストに落ちますが、自分が落ちたコンテストについては、受かった方々に「おめでとうございます」と言える心の余裕がありません(笑)。
ただ、文句を言う事もしません。
黙って次に出す原稿を用意するのみです。
でもここで書き仲間がいると、悔しいのに「おめでとう」と言わないといけない状況になるかもしれません。
それでも大丈夫な方は、大人なのでそれでいいと思います。
落ちてもまったく悔しいと思わない方も、それでいいと思います。
ただ一般的に考えると、「情報共有して手の内を明かして、色んな事をシェアし合ったのに、どうしてあの人は受かって自分は落ちたんだろう」という心理になるんじゃないかな、と思います。
仲間の「一抜け」を羨ましく思ってしまうのでは……と。
私も、デビューした当初は、SNSで新刊のお知らせをするたびに、フォローしてくださっている作家さんたちが「おめでとうございます」と言ってくださいました。
宣伝に協力するRTもしてくださいました。
でも私がバカスカ出していくうちに、それらはなくなりました。
今では新作の宣伝をしても、同業の方で反応をくれる方はほぼいません。
それに文句を言うつもりはありません。普通の心理だと思います。
宣伝のRTに対してお礼RTなどの文化もありますが、ああいうのは、したければすればいい、のスタンスでいいと思います。
まったく知らない方の宣伝までRTしまくっていたら、自分の作品の情報を知りたくて開いてくれた読者さまが、「情報どこ?」となってしまいますし。
あ、あと編集者の方がSNSで仰っていましたが、SNSのDMはいつ使えなくなるか分かりませんし、いわゆるナントカバンとかにもなりかねないので、自分の拠点となる個人サイトやブログなどを持ち、問い合わせ先がしっかりしていると、何かあった時に声を掛けやすいと仰っていました。
話は戻り、私は自分のためにガンガン書いて色んなものにチャレンジしていき、幸運にも結果に繋がったり、お声がけがありました。
もっとベテランの方々に比べたら、自分はまだまだと思っていますし、ヒットメーカーの方々の足元にも及ばないと思っています。
けれどそんな自分も、誰かからは羨ましがられていると自覚しなければなりません。
だから劣等感を抱いたとしても、その作品がコンテストに落ちたとしても、自分や自分が書いた作品をけなしてはいけません。
楽しみにしてくださっている読者さまを、ガッカリさせてしまいます。
そして自分を羨ましがってくれている方々にも、「あんなに羨ましいところにいるのに、自分を卑下してる。いやみだ」ととられかねません。
今でも私は、他の作家さんのご活躍を目にすると、嫉妬でキューッとなってしまいます。
なので、自分の宣伝がある時ぐらいしか、仕事アカウントは開いていません。
(世間話の投稿もしていますが、常時は見ていないという意味で)
一番大切で、難しい事ですが、一番は「他人を気にしない事」。
物凄く書いて活躍している方がいても、その方は沢山書きやすい環境にあるのと、速筆なのも関係しているかと思います。
人それぞれ、家庭環境や作業環境、体調、兼業か専業か、色んな条件が異なります。
それをすべて自分と同じだと思い込み、「ずるい」と感じるのは危険な感情です。
なので、「人は人、自分は自分」を徹底していたほうが、生きやすいんじゃないかなと思います。
なかなか難しい事ですが。
あと、SNSで攻撃的な事を言ったり、何かを嫌いと言ったり、ネガティブな発言をしたりも避けたほうが良さそうです。
SNSで人を判断する時って、ホームを見て普段どういう投稿をしているかだと思います。
上記の投稿があると、割と「やべえ」と思われがちだと思います。
レビューを見たら酷い事を書かれていて、つい文句を言ってしまう……はクリエイターあるあるなので、その程度は範疇ですが。
ただ、いつまでもグチグチと言うのはちょっとですが。
作家名に繋がらない、個人アカウントでなら自由に発言してもいいと思います。
でもアマチュアでもプロでも、その名前で作品を発表して活動しているなら、自分のPNというブランドを守れるのは、自分だけという事も自覚しておいたほうがいいと思います。
編集者さまって、思っている以上にSNSを見ていますから……。
鍵垢だからいいっていう訳でもなくてね。
鍵を掛けていようが、DMだろうが、直接会って言おうが、ネガティブな事を言っていると噂は広まっていきます。特に人や出版社さんへの悪口などは。
人の口に戸は立てられません。
それが回り回って、自分の首を絞めるって事は多々ありますので。
書いていくうちで一番大切なのは、自分のメンタルを健やかに守って、長く健康に書き続けていく事です。
ネガティブを言いたくなったら、自分でハッと気づいて「今日はもうネット開くのやめて、ゆっくりしよう」と判断できるようになったほうがいいです。
つらい出来事は放っておいても、向こうから突っ込んできます。
だから、自分からネガティブに身を浸して、それを振りまく必要はありません。
ネット上の嫌なものも、見る必要はありません。
トレンドになっている情報を知らなくても、生きていけます。
むしろ嫌なニュースを目にして、それについて考えたり、モヤモヤしてしまうと、作品を書く手も鈍ってしまいますし、精神衛生上よろしくありません。
それに作家同士の横の繋がりがなくても、作家として活動していけます。
ある程度、「あのレーベルはやばいみたいだよ」と情報を得られるメリットはあるかもしれません。
でも誰かにとって悪いレーベルでも、誰かにとってはいいレーベルかもしれませんし、プロとして作品を出せるなら、なんでも構わないと思う方もいると思います。
先述しましたが、どんな噂を耳にしたとしても、噂を流した方々は責任をとってくれません。
自分で判断して、自分の責任で進んでいくしかありません。
「あの人が『やめといたほうがいい』と言ったからやめたけど、やっぱりあそこで作品を商業化してもらえば良かった」と思っても、遅いのです。
チャンスは訪れた時にしっかり掴んでおかないと、同じところからの「次」はほぼありません。
「大きなところで作品を出したい」とは、誰もが思う事と思います。
でも、そう思うなら、また別の物語を書いて、もっと良い状態で世に出せばいいだけです。
だから私は、お仕事の打診があった時、そのレーベルさんから出ている作品を見てみて、心惹かれるものがあるなら、受けてみればいいんじゃないかな、と思います。
書き仲間とDMやラインなどでの雑談が多いと、自分の書く時間が削られるデメリットもあります。
噂話など聞きたくないのに、嬉々として噂話を仕入れてくる人もいます。
炎上している事を話題にしてくる人もいます。
自分はそれらについて考えたいか、時間をとりたいか。
そういう話題をする人と付き合って、噂話をしたいか。
「友達だから」という気持ちで、なんとなく話にのってしまう事はあるかと思います。
でもあとになってから「無駄な時間を過ごしたな」と思ったり、「あの人と話している自分は嫌な自分だ」と思ったり、「あの人から連絡があったら、溜め息が出てしまう」という人がいたなら、離れたほうがいいサインです。
まず自分は何をしたいかを考えてください。
私なら一行でも多く書きたい。
お仕事を進めて、余力でwebを進めて、読者さまに喜んでいただきたい。
そのためにSNSの話題になっている事から距離をとり、作業に集中する……のが、今のスタイルになっています。
今のSNSって、見ている人をネガティブな話題に誘導して、さらなる意見を言わせてとにかく閲覧数を稼ぎ、SNSとして(どんな形でも)活発に動かそうという雰囲気があるので。
人付き合いがすべて悪い訳ではありませんし、交流のある方とは良いお付き合いができています。
でも良いお付き合いができている方々は、皆自分の時間を優先した上で、空いた時間に少し連絡を……という形をとっています。
そして仲のいい方々は、噂話などほとんどしません。
そういう事について話しても、何もいい事はないと分かっているからです。
自分にとって良い付き合いは何かを理解した上で、大人の付き合いができる友人がいたらいいですね。
書いていると、批判的なコメントやレビューに見舞われますし、低評価をつけられる事もあります。
自分が一生懸命書いたものを、自分を、否定された気持ちになります。
でも、読んでサクッと低評価をつける人は、私(あなた)がどういう人かを知りません。
SNSで出している部分だって、自分の1割、2割もないかと思います。
だから、ネット上ではネット上、リアルの自分はリアルときちんと分けて、「自分は価値のある人間だ」と肯定感を上げる何かをして、ハッピーに生きられればそれでいいと思います。
幸せな人は、人を悪く言いません。
誰かがどうなったという噂話に時間をとられる事を嫌います。
限られた時間の中で、自分がより良く生きられる事のみを考えていると思います。
嫌な事があった過去は変えられませんし、ネット上の嫌な人を変える事もできません。
自分の機嫌をとれるのは、どうしたら自分がご機嫌になれるかを理解している、自分だけ。
だから幸せチャージはリアルでして、ネットでは好意的な言葉に「ありがとうございます」と笑顔を返し、あとは その方々のために物語の続きを書いていくに限ります。
こんな事を書いている時間がないぐらい、私も「書け!」なのですが、自分のスタンスを書いてみました。
※ 私にとって最良の環境を作るためのやり方であって、万人に対するオススメではありません。
それでは!
2024年7月18日(木)
※ 【追記】(7月20日)
なんだか今読み返すと「孤独のススメ」みたいになっていて、ちょっと笑っちゃいました(笑)
私は嫌な事が結構あったので、もう人と関わるのが怖くてこう考えてしまっていますが、中にはまともな感覚の方も大勢いらっしゃると思います。
友人が活躍しても「おめでとう」と言えて、「自分も頑張ろう」と思える方。
落ち込んだ時に励まし合える方。
一番大切なのは、自分がどん底に落ちても側にいてくれる方だと思います。
そういう人が側にいたら、ぜひ大切にしてください。
ただやっぱり、芸能人の方も同業には親友がいなくて、一般人の親友がいるという方も少なくないので、ケースバイケース……と。
私も、オタク仲間ではあるけど同じ土俵の小説にはノータッチな親友がいますが、安心して付き合えています。
そういう意味で、小説とは別の世界にいる友達も大切にするといいと思います。
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