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赤い着物を着た祖母
今回はまた、心霊チックな話を。
私自身の体験ではなく、母の夢見の話です。
母は霊感というかがあるタイプらしく、でも「見える」人ではないのです。
けど、昔とある人に「あなたは修行すれば見えるようになる」と言われたらしいのですが、興味がなかったので断ったそうです。
母は七人兄弟です。
その一番末っ子の叔父さんがいたのですが、今は故人です。
ある日、母の夢枕に亡くなった祖母が立ちました。
以前、長男が亡くなった時は金色の着物を着ていたそうです。
でもその時の祖母は、夢の中で真っ赤な着物を着ていたのだとか。
「お祖母ちゃん、なんであんな真っ赤な着物を……」と不思議に思っていたそうなのですが、数日経って、末っ子の叔父さんが家に帰らない、行方不明になったという連絡がきました。
叔母さんの話ではとある山に向かったそうで、冬山で遭難したのでは……という事になり、警察にも協力を申し出ましたが、うちの家族や母方の親戚関係が、よく登山をするタイプの人なので、両親や伯父たちがその山に向かいました。
向かった山は夏場ならそう大した山ではないのですが、冬で雪があるとなると話は別です。しかも夜。
私は現場へ向かわなかったのですが、警察と両親、伯父たちとで山を探したそうです。
そして、私の父が第一発見者になりました。
凍死した叔父は山道から少し外れたところにいて、そこで力尽きていたようでした。
その場から、見つけてほしいと言わんばかりに登山道に放られてあったのが、赤いジャケットだったか、リュックだったか……という話でした。
母方の祖母は、何かあるたびに母の夢枕に立ちます。
時に、祖父が立つ時もありました。
(姉が病気をした時など/存命です)
そういうのあるんだなぁ……と、霊感がまったくない私は思うのでした。
そんな母には、沖縄で戦死した叔父がいて、叔父の写真は祖母が生前暮らしていたマンションの仏間に今も飾られてあります。
母が沖縄に旅行に行った時、戦死した兵隊さんの名前が書かれた慰霊碑の中から、一生懸命母の叔父の名前を探したそうです。
「あった……」
母が叔父の名前を見つけた時、ズシッと母の肩が重たくなったそうです。
そのまま肩の重さ、痛さは続き、札幌に帰ってしばらく経つまで消えなかったみたいです。
けど、今は伯母が住んでいる、祖母が暮らしていたマンションの仏壇にお参りをしたりなんだりしているうちに、気がついたら肩は軽くなっていたとか。
今もたまに沖縄の事を話題にするとその話が出ます。
「また行ったら、また連れ帰ったりして」
冗談混じりに周りの人が言っても、母は「連れ帰れるならいいよ。役に立てるなら立ちたい」と言って笑っています。
そんな、少し霊感のある母の話でした。
母の霊感関係の話はもうちょっとネタがあるのですが、あまりオチがない漠然とした話なので、どう纏めたらいいのやら……。
2024年2月23日(金)
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