いないはずの第三者

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いないはずの第三者

 もう一つ、思いだしたので私にしては稀少な心霊体験(?)を。  ずっと昔、SNSで知り合ったネット友達(男性)がいました。 「いまはむかし」ぐらいのネット時代に知り合った人で、出会い方も時代を感じさせるものでした。 (そこは関係ないので伏せますね)  何年もの「お馴染みさん」になるうちに、メッセージとかで深い話をするようになり、お互いプライベートな相談などもしていました。  まあ……、その彼の話がとても特殊で、彼の身の上話だけでも小説書けそうなぐらいなのですが、それはそれでプライベートなので置いておいて。  今回の話に関わる部分だけ抜粋すると、どうやら彼は女性の生き霊と同居しているようでした。  ドラマが盛り上がっている時に急にテレビが消えたり、ブルーレイのディスク取り出し口が急にウィーンとなったりするそうで。  そういう体験がない私は「ひええ……」となりながら聞いていました。  そんな彼と数回電話した事があります。  スマホ同士で電話していたのですが、話していると時々「ピ」「ポ」「パ」と……。  固定電話の数字を押した時の音……というより、分かる人は分かると思うのですが、公衆電話のプッシュフォン電話を押した時の、1~0の音が微妙に違うあれ。  覚えている限り、あの音が一番近かったです。  電話をしながら「なんだろ……」と思っていて、途中で聞いてみました。 「ねえ、スマホで電話してるよね?」 「そうだよ」 「画面タッチしてない?」 「してないよ。耳に当ててるし」 「だよね……」(微妙な顔) 「どうした?」 「いや……、話してる途中でピ、ポ、パ……って数字押してるような音がして、そっちで操作してるのかと思って」 「ないない、してない」 「えええ……」(ドン引き)  彼と話す前に同居している女性の生き霊の話を聞いていたので、もしかしたらその生き霊が嫉妬して、なんらかのメッセージを送ってきたのかな? など思ってしまいました。  霊的なものって、電気とは相性がいいらしいので。  昔、ポケベルで「1-1=あ」などがありましたが、プッシュフォン電話の音から推理して、音がなんというメッセージを送っていたのか分かるのかな……、と考えるだけ考えて、怖くなってしまいました。  そのあとも彼と電話した……のかあまり覚えていませんが、電話でまたあの音が聞こえるのが怖くて、電話をするのはちょっと避けるようになってしまった……。  ……という体験談でした。  2024年2月26日(月)
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