0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
ジェーンは夢を見ていた。
知らない女性の夢だ。
何かを話しかけてきているのに、何も聞こえない。
すると朧気だった風景が少しずつ鮮明になっていく。
ジェーンは知らない女性と一緒に、知らない男の人たちに連れられて、森の中を歩かされていた。
外は暗く、月明かりだけが光源となっている。
どこへ連れていかれるのか、ジェーンが気になっていると、だんだんと近づいてくる建物が見えてきた。
大きな屋敷である。
建物自体は古めかしく、不気味に感じさせられた。
屋敷には小さな扉があり、男たちは鍵を使って、中に入っていく。
扉の先は地下へ続いていた。
地下にあるのは、小綺麗に片付けられた調理場のような所だった。
そこすら男たちは通り抜けていく。
どこまで連れられるのか。
不思議に思っていると、男たちは随分冷えた場所へ入った。
大きな樽の並んだ室内の奥、何もない壁に、男たちが手を翳す。
淡い光が放たれた瞬間、傷のない壁に切れ目が走った。
意識はそこで途絶えた。
最初のコメントを投稿しよう!