君という作家を見つけて

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「父さん!」 「息子か、悪かったな。私の不甲斐なさがしでかした厄災だ。これからはもっと業界を盛り立てるよう、頑張ってみせる」  私は最後のアイテム、ノートPCを開くと管理画面に入り、この小説を選択した。 「あっ編集長、削除権限、私持ってないのですが、どうしましょう?」 「とりあえず私のメアドで再ログインしてくれ。パスワードはhikari_wo_ateruだ」 「ログインしました。削除しますよ、よろしいですか?」 「承認する」  私は削除のチェックボックスをクリックすると、更新ボタンを押した。  眩しい光がノートPCから輝き出すと、妄筆獣はその煌めきの中に霞んでいった。 「まさかこれ……夢オチではないですよね?」 「目を覚ましたら二日酔いでベッドの上だったというオチか。それは禁じ手だ、これは現実に起きたこととして、話を繋げていこう」 「なんとか妄筆獣を倒すことができましたね。これもあなたの助言のおかげです」  ザザッとノイズのかかった男子高生が私に微笑みかけてきた。 「最後はなんとか結がついたみたいね。これを糧にこれからも頑張ってみて」 「ありがとうございます、今回は選外になってしまいましたけど、次こそは受賞して、あなたに……」  男子高生は私に手を差し出したが、その手に触れる前に彼はノイズの中で塵と化した。
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