ぷろろーぐ

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ぷろろーぐ

 部室見つけたよー、部、作るから入ってね。  ぽややんがそういったことに、わたしはびっくりした。  ぽややんとは、入学式の日に会ってから、なので、知り合ってまだ一週間にもなってない。 ぽややんの席は一番前で、わたしがその後ろ。で、初日に、中学どこ、から始まって、部活どこ入る、決まってないよ、みたいな標準的な話をして。  じゃあじゃあ、部、作んないー?  と、ぽややん。  え、部作るなんて、すごいね。でもそんなことできるの?  この学校、部室さえ見つければ、新しい部作れるんだってー。  ぽややんは、クラスの自己紹介で、自ら披露したあだ名のとおり、癒し系キャラだと思ってた。だから、そんなこと実行できるのかな、なんてどこか少しだけ本気にしてなかった。 ことばの語尾もちょっとまのびしていて、のんびりやさんなかんじだし、「ボナパルトって、犬の種類だと思ってたよぅ」みたいな天然ぶりもあったから、こんなに素早く行動するようには見えなかった(失礼すぎ)。  久里ちゃんが自分も、っていって、竹ちゃんも入ることになって、部結成は現実になった。  部室見つけたよー、部、作るから入ってね。  ぽややんがそういったとき。  それがたぶん、わたしの高校生活の始まりだったのだ。
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