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その後、いがみ合いつつも昼食を食べた。昼食の焼きそばを人数分テーブルに並べる母親と目が合い若干の気まずさを感じたものの、あれはもう過去の事。ニヤニヤしながらこちらを見ているだいだらを無視して食べ始める。食べ終わった後は、俺は自室へだいだらは神社本殿に向かった。
『はぁーーーーー。』
俺は、貴重な日曜日の午前中をだいだらとの痴話喧嘩に費やしてしまったことを後悔しながら、ベッドの下の大人の薄い本を取り出し次は何処に隠そうかと頭を悩ませていた。
その時。
コンコンッガチャッ。
「お兄ちゃーん、宿題おせぇーてぇーー。」
ノックと同時にドアが開けらた。
俺がまず思ったのは。
(え、ノックの意味は、、、、)
振り向く俺と目が合ったのは、妹のみかん。
一瞬時が止まった。
永遠にも思える静止した世界で。
エロ本片手にベッドの前にたたずむ俺。
未だドアノブを片手で握っている妹。
妹の目線は、完全に俺の持っている薄い本に向けられていた。
だんだん妹の目から光が消えていくのが分かった。
そして「ごめんね、邪魔して・・・・・あとまだお昼だよ」
一言告げると、ゆっくりとドアは閉まっていった。
『なっ。待っ、』
違うんだ、違く無いけど違うんだよぉー。
俺は今日一日で、いろいろなモノを失った気がした。天井を見上げ少し呆然とその場に立ちつくす。
そして無性に疲れた。
『ちょっと横になるか。』
無性にめんどくさくなり薄い本をベッドの下に投げ込み横になる。早起きしたこともあってか、すぐにウトウトとまぶたが重くってくる。
『くそ。何が、早起きは三文の得だよ』と、呟くとゆっくりと眠りに落ちていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
目が覚めると、時計の短針は七時を廻っていた。
ヤバい。めちゃめちゃ寝てしまった。
カーテンをチラリとめくり外を見ると、辺りはもう暗く外を走る車はヘッドライトをつけているのが分かる。
『もう夜じゃん・・・。』
結局、何もしなかった日曜日を思い返して少しモヤモヤと後悔してきた。
『せめて・・・。せめて途中で投げ出した大人の薄い本の隠し場所を変更する事だけでもやり遂げないとな。』
寝過ぎてダルくなった身体を起こして立ち上がる。
再度ベッドの下の大人の薄い本を取り出す。
昼寝、雑に投げ込んだせいか、少し奥に入り込んでいたため何度か頭をベッドの縁にぶつけながらも、なんとか取り出す事に成功した。
『なんか、もう疲れた、、、』
何処に隠そうかと、大人の薄い本片手に部屋を一瞥していた。
その時。
ガチャッ、バーーーーーン。
ドアがノックも無しに勢い良く開けられた。
「とおるー。生きとるかぁー。昼間の一件少しは反省したかのぉー。」
だいだらが意気揚々と部屋に入ってきた。
(いや、ノックくらいしろよ)
「おっ。」「おおっ。」
だいだらの目線は、0秒で俺の手元に向けられる。
『あっ。』
デジャヴな光景にやっと理解が追いついてきた。
エロ本片手にダルそうにしているこの構図は良くない。本能がそう告げると。
だいだらは、またもニヤニヤしながら楽しげに近よってきた。俺の机のイスを引き出し、イスの上に立ち上がったかと思うと優しく俺の肩をポンポンと叩いた。
「昼過ぎにみかんから聞いておったがお主。今の今までとは恐れいったわ。若い事は良い事じゃがほどほどにの。」
弁明することすら疲れた俺は心の中で叫んだ。
『くっ、ころーーーーーーーー!』
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