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カウンセリング
欲望を抑え込み、カウンセリングを始める。
まずは守秘義務などの導入の説明を終えて、本題に入る。
「 今、あなたが悩んでいることや、 不安に思っていること、この相談室に足を運んでみようと思ったきっかけなどを、
あなたの言葉、あなたの感覚で私に教えて頂けますか?」
もう使い慣れた機械的な言葉の羅列だが、機械的になり過ぎないように配慮する。
「 率直に言わせて頂きます。」
と一言、前置き入れた藤子。
少し間をとり、呼吸と間合いを探る。
まるで合気道の達人のようだ。
私の方が呑まれかけている?
いや、それはない。
やはり、興奮だ。
久しぶりに味わえるかもしれない、高級な興奮。
さぁ、お前は一体どんな悩みを持って私の前に現れたのだ?
さぁ、言ってみろ。
私を満足させてみろ。
紅緋色に心が滾る。
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