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「だから! 俺が一体いつからお前の助手になったッ!」
「キミ、江戸川乱歩を読んだ事はないのか? 初登場の【吸血鬼】から小林君は明智探偵の助手だぞ」
「俺は大林だ!」
「ボクは自分の助手のつもりでキミの事は小林君と呼んでいるのだが――まあ、キミがその気になってくれないのであれば仕方がない。キミのさっきの兇行をボクは警察に訴え出るまでだ」
「……ッ!」
「いや、ここで叫び声の一つでも上げた方が手っ取り早いかな? キミの言い分と、ボクのような可憐な美少女の訴え、警察はどちらを信じるか? 当然、ボクの演技力はさっきの変装術を見ても分かるだろ?」
「……脅す気か?」
「これが脅し以外にどう聞こえる?」
ニコニコ顔を崩さず、平然と言ってのける小五郎。
猟奇者としての側面を持つ俺がこんな言葉を使うのもなんだが――この悪魔めッ!
だが、逆らえないのもまた事実だ……
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