(3)美しき依頼人

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『依頼人・久光美紀(心聖女学院一年 十五歳)  依頼内容・失踪者の捜索  失踪者・増田理子(心聖女学院一年 十五歳)  事件概要・昨日の五月二十六日。十六時前後。イラスト部のメンバー、久光美紀、増田理子、他二名を含む計四名は、教室内においてウィジャボードによる降霊を行っていた。その最中、増田理子が何かに怯えるような様子を見せて錯乱し、教室を飛び出してそのまま失踪。夜になっても寮に帰って来なかった為、教師達が学校内を捜索。だが見つからず、かと言って学校外に出た形跡も無いとの事。一応、自宅に連絡はされたが、帰宅した様子は無く、その日の内に捜索願が出された。依頼人、久光美紀からのメールによれば、悪い霊に取り憑かれて連れ去られてしまったのかもしれない、いわゆるウィジャボードの呪いではないかという事であった。』  小五郎に渡されたメモ帳の一ページ目を読み終わった途端、俺は思わずうんざりした溜め息を吐いてしまった。 「なんだよこの降霊とか悪い霊とか呪いとか……」  妹から聞いていた通り、小五郎は本当にこの手の事ばかりに首を突っ込んでいるようだ。まあ、怪異探偵なんて名乗ってるんだから当然と言えば当然なんだろうが、単なる人捜しにすら怪異が絡んでくるとは…… 「……これを読む限りじゃ増田理子って子の失踪のカギになっているのはウィジャボードって感じだが――そもそもウィジャボードってなんだ? なんだか嫌な予感しかしないが……」
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