(3)美しき依頼人

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 と――『追記・ウィジャボードとは、アルファベットと数字が記された文字盤と、プランシェットと呼ばれる木の板(主にハートの形をしている物が一般的)を使い、二人一組で行う占いの事だ。西洋版のコックリさんと言えば分かりやすいだろう。』  と、まるで俺の思考を見透かしたかのような文末の追記。嫌なガキだ…… 「しかしまあ、予感的中だったな……」  コックリさんなら俺でも分かる。これに纏わる事件には、ロクでもない事件しかない事も…… 「まったく薄気味悪い。この人捜しに、どんな結末が待ち受けているのか……」  だが、俺はブンブンと首を振った。これ以上、余計な事を考えていたら、またおかしくなりそうだったからだ。 「もう考えるのはよそう。訳の分からない事に巻き込まれるのは分かっていた事だし――」  俺は再び小五郎の手帳に視線を落とす。 「――さて、じゃあ俺は最初にどこに向かえばいいんだ、明智先生」  俺はその手帳がまるで小五郎のように話しかけながらページをめくる。が、そこに書かれていた指示に俺は思わず腰が引けてしまった。 『依頼人・久光美紀は諸事情により捜索人・増田理子の写真データが送れないそうだから、まずは写真の受け取りも兼ねて依頼人から直接話を聞きに心聖女学院に向かってくれたまえ』
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