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 ありのままで、自分をよく見せようとしない態度も彼がモテる要素になるのだろうと、静は思う。  完璧な容姿で完璧を求めないところとか、どこかちょっと抜けていて憎めないところとか。  いつ会っても陰りが見えない太陽みたいに明るい男。  自分とは違う世界の住人。  まぶしくて苦手だ。 「僕になにか用?」  追いかけてきたというのだから、質問でもあったのだろう。  主任にチーム医療で協力してわかることには答えてあげて、と言われていたことを思い出す。 「お昼一緒にどうかなって思って」  一瞬、自覚できるくらいに静の鼻の付け根に皺が寄った。 「もう食べたから」 「マジ? いつの間に」  ふたたびカートを押して歩きだす。  須田はまだついてくる。 「じゃあ明日は? 今日のお礼にごちそうさせてくださいよ」  憂鬱。絶対嫌だ。  ご飯くらいひとりで食べたい。  そう思いながら曖昧に頷いた。  須田に付き合いの悪い人と思われることすら面倒だった。  なつかれたくないけれど、悪目立ちもしたくない。  ただそれだけの理由で、静は須田の誘いを断らなかった。
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