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 時は流れ、別れの時がやってきた。  たま美ちゃんの黒く美しい尾は短くなり、変わりにスラリと長い二本の足が生えていた。  また、胸のあたりには小さく可愛らしい手が二本。 「たま吉さん、待ってるからね」  たま美ちゃんはそう言うと、生えてきたばかりの小さな手を振って、池の外へと旅立っていった。 「たま美ちゃん、君を追いかけて、僕も必ず池の外に行くからね」  僕は池の底に生えている藻をかじり、たま美ちゃんとの再会を心に誓って生き延びた。  いつしか、僕にも二本の足と二本の手が生えていた。  たま美ちゃんのそれと比べて、僕の手足は、とても小さかったけど、池の外に旅立つには充分だ。 「たま美ちゃん、今から行くよ」  僕は小さな手足を使って、水を掻き分けて泳ぐと、池の縁に辿りついた。  そして、たま美ちゃんを追いかけて、池の外へと一歩、踏み出した。
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