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アルビナカンビオレはボード皇帝の従姉妹の姉である。ボード皇帝が従姉妹の姉であるアルビナカンビオレにずっと憧れており、アルビナカンビオレも可愛い従兄弟の弟であることから結婚に至るのであった。
それが純血によって王侯貴族の血を守ることに繋げたいと言う元老院達の意思と一致した故になされた結婚であった。
「純血にこだわる訳ではありませんが…… ラブリバーの血が嫌いなだけです」
「奇遇ね、あたしもラブリバーの血が嫌いになったわ。たった今ね。さっきの約束、ちゃんと守るわ。それまでは共闘といきましょうか?」
ベアトリーチェはイールソーに向かって軽く手を伸ばした。そして、問いかける。
「Shall we dance?」と。
イールソーはラブリバーの血の排除と言う目的があり、その協力者にするためにベアトリーチェの元へと訪れた。とっておきの秘密である「カミーリアの胤無し」と言う秘密を持って。こんな話を信じる筈がないと思い白を切られると思ったのだが、アッサリと信じてくれるとは嬉しい誤算だ。ラブリバーの血の排除の後は「お前達のような平民の血の排除だ」せいぜい、その日まで我がボードの血の協力者になっておくれよ? 平民様?
そう思いながらイールソーはベアトリーチェの手を優しく握りしめた。
「Yes I shall」
ベアトリーチェはイールソーの小さな手を握り返し「強力な味方を手に入れた」と口角をニヤリと上げた。
しかし、所詮イールソーは王侯貴族。頭の中ではあたしのような平民なぞ物の数とも思っていないだろう。
正直なところ「排除」と言う形で殺されさえしなければいい話だ。どう思われていようと関係はない。
それよりも、前皇帝の血を持つ者が信用も信頼も出来ないながらに味方になってくれたことの方が重要だ。それだけで担ぎ上げるヤツはいるだろう。その力、利用しない手はない。
せいぜい、夫の敵討ちのために協力して頂戴ね?
ベアトリーチェは心の中で高笑いを上げるのであった……
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