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僕らは遅く起き、昼近くにみなみの家を出た。
駅にある喫茶店で食事をした。ふたりともパスタを食べた。
「これからどうする。」
「私は何もないから家に戻る予定よ。それとも何処か行く。」
「僕は、映画を見ようと思っている。今家に帰ったら妻に心配されてしまうからね。」
「そうね。私も映画お付き合いするわ。とくにやること無いし、久々の映画ワクワクするわ。」
僕らは、映画館へ行った。今流行りの恋愛映画がちょうど良い時間に始まるからそれを観る事にした。
僕らは、飲み物を買い席についた。
映画館は当たり前だが暗くちょうど良い温度だから僕は開始10分で眠くなってきた。そのまま、映画が終わるまで寝てしまった。
僕らは映画館を出てお互い現実世界に帰っていった。
「ただいま。」
僕は何もなかったように帰宅した。
「おかえりなさい。まだ早い時間なのに具合いでも悪くなったの。」
妻は家事をしていた。僕は妻を抱きしめた。
びっくりしたようだが僕はそのままキスをする。
みなみと付き合うようになってから不思議な事に妻に対する愛情が深くなっていた。いつも日常を守り妻として家事や育児、パートをがんばる冴子。離したくないと思った。と、同時にみなみの事も同じくらい愛おしかった。僕は自分が何か別のものになっていくような気がして少し怖かった。
僕は今夕飯を食べている。久々に子ども達と食べる夕飯は楽しかった。家族で囲む食卓はにぎやかで笑いが絶えず幸せを凝縮したような時間だった。
僕はその夜もまた妻を抱いた。妻への罪悪感はある。だが僕は今の自分の何かを止めることはできなかった。感情は高鳴り理性が追いつかなくなっていた。
翌日会社であったみなみはいつもと同じ完璧な女だった。今日はスーツ姿だ。きっと外回りに行くのだろう。メイクもしっかりしていたし今日のみなみの気持ちが伝わって来るようだ。
僕はみなみを見ながらも外回りの準備をして外出する。今日は3軒のクライアントを回る。御用聞きだ。こうして無駄な動きをすることで大口案件を頂けたりする。昼食までに2件回る予定だ。
昼ご飯をファーストフードで食べ終えると社用スマホに連絡が入った。また、花子さんかと思えばみなみからだった。急遽人が欲しいとのことだった。
今日みなみは新人を2名連れていてそのうちひとりが具合いを悪くしているという。誰か彼女を医者に連れて行って欲しいとの事だ。
僕は今日は御用聞きだから時間に融通がきく。先方に連絡をし事情を話すと快く僕を送り出してくれた。僕はみなみのところに向かい新人を病院に連れて行った。疲労が原因で体調を崩したらしい。緊張して眠れず食事も食べれなかったらしい。僕は新人を最寄り駅まで送りタクシーで帰宅させた。
みなみに報告し、帰社した。花子さんは今日調子が良いらしく何もトラブルを招いていないようだ。
僕は心からほっとした。
しばらくしてみなみは新人を連れて帰社し、みんなにお礼を言った。そして、僕はみなみは僕を会議室に呼んだ。僕は席を立ち会議室に向った。
会議室に僕が入るとみなみは鍵を締めた。そして僕にキスをした。僕はみなみを受け止めた。
「今日はありがとう。助かったわ。」
みなみはそう言うと何事もなかったように会議室を出ていく。みなみの香りが会議室に残っている気がした。僕は仕事の顔に戻り自分の席に戻る。仕事を頑張り定時で会社を出た。今日は自宅にまっすぐ帰った。僕はアイスクリームを買って帰宅した。
家族は大喜びで食べてくれる。幸せな時間だ。
僕はテレビを見ながらぼんやりと家族を眺めていた。そこにスマホが鳴った。メールを開くと、みなみからだった。
「ごめんなさい。私、身体がどうにかなったみたい。あなたがほしいの。あなたに抱かれたい。
今すぐにでもあなたの肌に触れたい。」
僕はみなみの身体を思い出していた。完璧な胸に引き締まったお腹、細くきれいな足。みなみはどこを見ても素敵な女だ。僕はいてもたってもいられなくなってきた。妻にはなんといえば良いのか。僕の頭はフル回転している。
「冴子ごめん。俺、同期に誘われてこれから出てくる。明日土曜日だし久々に会うから夜どうし遊ぼうということになって。ダメだよね。明日なんか用事あるよね。」
「大丈夫よ。明日は何もないからゆっくり遊んできたら。私たちは大丈夫。こちらはゆっくり女子会よ。」
妻は笑顔で着替えを用意してくれた。僕は妻の用意してくれたバッグを持ちみなみのマンションに向った。タクシーに乗ると僕は行き先を伝えた。車窓から外の景色をぼんやりと眺めながらみなみのことを考えていた。身体はみなみを欲し反応している。
僕はみなみのマンションにつき、玄関に入った途端にみなみにキスをした。乱れていくみなみは美しかった。僕らは何度も何度も愛し合いやがて明けてくる夜を過ごし眠りへと移行していった。
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