祝日が終わる日

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全てうまく行く。このまま全てきっとうまくいくはずだ。もう一年も僕は冴子とみなみを愛しながら走って来ているではないか。 だからきっとこのままうまくいくはずだ。 「会議室 13時。」 みなみからのスケジュールがメールで届く。 僕は会議室に向った。会議室を開けるとみなみは足をくみパソコンを眺めていた。 「座って。」 「何。」 みなみはパソコンから目を離さず要件を僕に伝えてくる。 「明後日から2日間出張に行きます。同行をお願いいたします。」 「明後日から、承知いたしました。どこに行きますか。」 「場所は案内いたしますから、ご安心を。」 そういうと、立ち上がり僕にキスをして会議室を出ていった。たぶん出張ではなく旅行だろう。 僕は明後日の出張に備えて仕事を調整する。 出張の日は、駅で待ち合わせた新幹線に乗り温泉に行った。取引先の人が保有するホテルのモニターとなるのが今回の目的だ。 ホテルは島になっていて船で移動する。海は風が気持ちよかった。ホテルは島の中心にある。広いエントランスに受付がありチェックインをする。 僕らは4階に行き角の部屋に行った。部屋は広く温泉がついていた。みなみはベランダに行った。 広いベランダには、椅子と露天風呂があった。 みなみはベランダに行き裸になって行く。身体の曲線が美しく僕を刺激する。みなみはそのまま身体を洗い流し温泉を楽しんだ。僕はぼんやりとみなみを見ながら、幸せを感じていた。 「ねぇ、あなたも入ったら。気持ち良いわよ。」 「うん。」 僕とみなみは、風呂を楽しみ、そのまま昼だというのに愛し合った。お風呂で温まった身体はいつも以上にみなみを感じていく。僕らはそのまま夕食まで眠った。夕食は海産物を中心だった。煮魚に、野菜のたっぷり入った前菜。天ぷら。どれも美味しくてお酒が進んだ。みなみも僕も楽しんでいると、冴子から連絡が入った。 「かなが熱を出しているの。あなた早めに帰ってこれる。」 僕はそのメールに、無理だと返した。このときの僕の優先事項はみなみでみなみしか見えなかった。 目の前の美しい世界に僕ははまり、現実をないがしろにする。そうだ。これが僕の最初の過ちだ。 僕らは、翌日島の観光をした。自然を感じながらお互い手をつなぎ歩いた。ずっと一緒にいたいと思った。ずっとこの時間が続くようにと。 短い旅行を楽しみ自宅に帰宅した。 自宅には誰もいなかった。冴子に連絡をする。 冴子はメールを返してきた。 メールを見た僕はすぐに家を出た。 子どもが入院したのだ。肺炎だった。 冴子は仕事中の僕を気遣い連絡をしなかったという。僕は冴子と冴子の横で寝ている子どもを一度帰宅させベッドに横たわっている我が子を見つめた。 僕という人間は最低だ。この子につらい想いをさせてまで自分の快楽を優先してしまった。 一時帰宅した妻が帰ってきた。僕は妻と話をした。 中庭で子どもを遊ばせながら僕らはベンチに座った。 「何故連絡くれなかったの。」 「仕事だというから。」 「家族が病気なら流石に僕だって帰ってきたよ。」 「私が悪いっていうの。」 「そんなこと言っていないよ。」 「言っているじゃない。あなたが仕事だというから不安だけど我慢してたのに。私は、私が悪いからかなが入院したと言いたいんでしょう。」 僕は冴子を抱きしめた。冴子は泣いていた。 冴子のせいではないよ。僕が悪いんだ。 僕は心の中でそう思った。
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