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Vol.55
「占いに金かけたのかよ…。マジか…。いくら?」
「占いは50万円くらい。」
「占いはって何だ?他にもあるのか?」
これはもう全てを話すしかない。私はそう思った。
「3000万…。」
「3000万?!何でそんな額に…。」
「占いの50万円が払えなくて、その代わりに先生のお宅で家政婦として住み込みで働くことになって、それで…。」
「働いてんのに何で3000万払わなきゃいけねぇんだよ?」
「先生のお宅の排水管に異常が見つかって、それが私のせいだって…。」
「何で華恋のせいになるんだよ。おかしいだろ。」
「24時間ずっと先生のお宅にいて、家事をしていたのは私だから、って…。」
「証拠も何もないのに?いきなり華恋のせいなわけ?請求書とか渡されたの?」
「渡されてはない。ただ、3000万円の数字が書いてあるのは見た。」
「その請求書、本当に本物か?」
「えっ…?」
「業者名とか管理者名とか見たのか?印が押されているのもちゃんと見たか?」
そう言われると自信がなかった。そこまでじっくりと見てはいなかった。
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