はじめに

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はじめに

「シギチ」っていう単語、無性に口に出したくなりませんか? 響きがなんだか可愛い。ついでにカタカナ表記の字面も、どうしてか可愛い。そして、シギチ自体も非常に可愛い。  シギチ、というのはシギ・チドリ類を意味する言葉です。いわゆる専門用語といいますか、バードウォッチャーなど野鳥を愛好している人たちは、シギ・チドリ類をまとめて、シギチと呼んで愛でています。専門用語というより、愛称と言った方が正しいかもしれません。  日本において、シギ・チドリの多くは春と秋に見られる旅鳥です。彼らはアフリカや東南アジア、オーストラリアなどの南の地域と、ユーラシア大陸北部などの北域とを行き来している渡り鳥です。その長い長い旅路の休息地点の一つが、日本なのです。ここでまたしっかり食べて、休んだ後、さらに北もしくは南を目指して旅立ってゆくのです。ゆえに、旅鳥なのです。  で、ちょうどゴールデンウィークのあたりが春のシギチシーズンということで、南から北上してくる彼らを見られる時期なのです。多くのバードウォッチャーにとってこの時期は、「シギチ! シギチ!」と口ずさむほど、テンションが上がってしまう季節です(偏見)  というわけで、私も「シギチ、シギチ」と唱えながら、シギチを見るために某所に行ってきました。  去年もゴールデンウィークにシギチを見に出かけたのですが、タイミングやら運やらが悪かったのか、それとも私が見つけられなかっただけなのか、あまりシギチは見られませんでした。  しかし、今年はなんと五種類のシギチに出会えました! これも、「シギチ、シギチ」と唱えたおかげ――嘘です、「シギチ、シギチ」と実際に口に出すことはしてないです、バードウォッチャー失格です、ごめんなさい。  なにはともあれ、結構見ることができたし、写真も撮れたので、出会ったシギチをご紹介。可愛い見た目に似合わず、長距離の渡りを行うタフなシギチたちの魅力が、少しでも伝われば嬉しいです。  
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