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だとしたら、なんで私を実験室に呼んだのだろう。教授にはこの時間に来るように言われていた。私が呼ばれる時は決まって、実験か或いは、提出書類の締め切りが迫っている時だった。教授が不在なことは今まで無かったのだ。
「まぁ、じきに帰ってくると思うよ。か、連絡が来るんじゃないかな?」
冷静に言う秀さんだが、内心では落ち着かないのだろう、書類を整理する手は覚束無かった。
私の方は逆に、そんな気持ちを紛らわせるために書類の整理を手伝った。なんでもかんでも適当にしまって合ったから、捨てても大丈夫なものなのかどうかも分からない。とりあえず、見るからにいらなそうなものだけ、個人の判断して分けていった。
黙々と作業していると、書類はある程度片付いた。時計を見ると、もう3時間経っていた。すると急に空腹を覚える。
秀さんを見ると、器具の片付けをだいたい終えたところだった。そろそろお昼にしませんか、と提案すると、秀さんは同意してくれた。
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