さくらが生まれた日

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 実験室の奥には、テーブル替わりの机があり2人でお昼を食べる。私は由美子さんの手作り弁当だった。秀さんはコンビニ弁当を食べながら、そんな私の弁当をみて、羨ましいと笑った。  お昼を食べつつ雑談をしながら休憩して、また作業に取り掛かる。  片付けの続きや、時間もあったから部屋のレイアウトも変えてみた。2人だけだったが、思いのほか作業はスムーズに進んだ。  気がつけば、もう夕方になっていた。未だに教授からの連絡は来ない。急に秀さんがしきりに時計を気にしはじめる。  「どうかしたんですか?」  「ん?あ、いや、このあとバイトなんだよね」  時刻は16時、バイトは17時からだという。  「秀さん、バイトしてるんですか?」  そういえば卒業したあとのことはよく聞いていなかった、とその時になって思った。ちょうどその頃は、少し私たちの関係があまり良くない頃だったからだろう。  「あぁ。教授の手伝いをしてるんだけど、それだけじゃ中々厳しくてね」  ということは、この大学にいるのか?由美子さんとも会っているのだろうか、という、モヤっとした思いが少し芽生えていた。
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