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そう、まだ分からないのだけれど……
分からないから不安になるのも事実で……。
「そっかあ。喧嘩しちゃった感じ?」
隣の席に座りながら、航君が親身に尋ねてくれる。
「喧嘩、はしてないんだけど」
「じゃあ、何か怒らせちゃったとか?」
「怒らせてもないと思うけど……」
「ん? じゃあ何で別れ話になるの?」
「うーん……」
速水さんが、自分のせいで俺が危険な目に遭ったと思っているから……だよな?
でも、そんな俺を助けてくれたのも速水さんだ。
もちろん、俺自身は速水さんと別れたいなんて思ってないし、そもそも速水さんのせいで危険な目に遭ったなんて思っていない。
その気持ちを、彼にちゃんと伝えたら何か変わるのかな……。
「航君、ありがとう。俺、自分がすべきことが分かった気がする」
「え? まだ何もアドバイスしてないけど?」
「ううん、ありがとう。難しく考えるのはやめて、ちゃんと自分の気持ちを相手に伝えてみる。それでも駄目だったら、また話聞いてもらうかもしれないけど……」
「そっか、分かった。頑張れ!」
「うん!」
航君、ありがとう。
ちゃんと速水さんと向き合って、話してみよう……。
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